奈良のある地域で、農作業の時に食べるおやつのことを「ほうせき」(宝石/抱石)と呼ばれることを聞いたEAT&ART TAROは、奈良の石に着目します。寺院の礎石や神社の神石など、奈良に暮らす人々が日常のなかで目にする石の数々からは1300年前の記憶を辿ることができます。
そんな奈良の石を模した菓子が並ぶ“石の菓子店”。お金ではなく石で菓子と交換するその店は、「食」という行為を通じてさまざまな事物の価値を問い直す機会をつくりだします。
12月20日まで、開催中!
奈良のある地域で、農作業の時に食べるおやつのことを「ほうせき」(宝石/抱石)と呼ばれることを聞いたEAT&ART TAROは、奈良の石に着目します。寺院の礎石や神社の神石など、奈良に暮らす人々が日常のなかで目にする石の数々からは1300年前の記憶を辿ることができます。
そんな奈良の石を模した菓子が並ぶ“石の菓子店”。お金ではなく石で菓子と交換するその店は、「食」という行為を通じてさまざまな事物の価値を問い直す機会をつくりだします。
会場:鶴の茶屋。春日大社へ向かう参道の途中にあります。
奈良にある石を模したお菓子をご用意。 (画像はイメージです)
石の菓子店では、お金ではなく石と、お菓子を交換します。 お好きな石をお持ちください。
礎石や古墳の話など、奈良は石が多くを語っているという印象がある。奈良を紐解くとは石の記憶をたどること。石の記憶とは、石の移動である。1300年前にどこかから移動させられて今も残る石は、奈良から感じ取ることができる歴史、記憶、価値である。奈良で石と価値のことを考えるために、奈良のいろんな石を模したお菓子を提供する石のお菓子屋さんをつくってみる。
そのお菓子は、お金じゃなくて石と交換することができる「石の菓子店」。ある研究では、宇宙から移動してきた隕石に糖分子が見つかったそうだ。生命の起源、地球の生物のきっかけ自体が石の移動だったのかもしれない。
PROFILE:1982年奈良県生まれ、同在住。美術家。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。文化庁芸術家在外研修員(ケニア共和国ナイロビ)などを経て、現在、奈良県立大学地域創造学部准教授。本事業のきっかけとなった東アジア文化都市2016 奈良市「古都祝奈良」出展作家。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目した作品や日本とアフリカをつなぐアートプロジェクトを各地で展開している。
制作コーディネーター:西尾咲子、吉田真弓、櫻井莉菜
運営:一般社団法人CHISOU
石の原型制作:加藤勝久
会場デザイン:鈴木文貴、岩田茉莉江(やぐゆぐ道具店)
石の菓子店VIデザイン:川路あずさ
ウェブサイトデザイン:butter 久保元気
石のお菓子撮影:茶本晃生
撮影:衣笠名津美
協力:鶴の茶屋、パルメット株式会社、観光人力車やまと屋、
会場にお持ちいただいたり、オンラインフォームからお送りいただいた石のエピソードをご紹介します。
たがねとは、石を割るときに使う工具のことです。この菓子の中央にある溝は、石に残っていた、たがねの跡です。大きな石には時代によって色々な価値が見出され、その度に痕跡が残っていきます。
古来奈良には大陸から多くの文化がやってきて日本文化の基礎になっています。食文化にも奈良から始まったものが多いのですが、中国が元という時代だった頃にやって来た文化を表現した菓子です。
水石という石を台座にのせて鑑賞する文化があります。石は古くから鑑賞の対象になっていましたが、水に濡らすと美しいというところから水石という文化が生まれたという話もあります。水に濡れて美しい石を菓子にしました。
雲根という言葉は鉱物を表す古い中国の言葉です。雲は石から生まれてくるという考えからできたそうで、江戸時代には雲根志(うんこんし)という奇石をまとめた本も出版されました。そこに載っている石を模した菓子です。
石には様々な物語が付随しています。謎めいた石には、一つの物語だけではなく時代ごとに伝説があり、そして真意は謎に包まれることもあります。この菓子も多くの由来をもつ石を模しました。
近鉄奈良駅から徒歩15分
〒630ー8212
奈良県奈良市春日野町160
特設会場に石をお持ちいただくと、お好きなお菓子2つと交換いたします。
ご来場の際に石のエピソードを記入いただきますので、物語や思い入れのある石をお持ちください。
特設会場では、アーティストのEAT&ART TAROさんと、石とお菓子について直接お話していただけます。
丸い菓子皿がたくさん浮き並ぶ空間。
座敷の交換所にて、持参した石のエピソードをTaroさんに話す。
Taroさんの5つの石のエピソードを聞きながら、好きな石(菓子)をいただく。
菓子皿に持参した石をエピソードとともに盛る。
菓子皿の合間にはイスも配置して、石に囲まれ「石(菓子)をたべる」。
その姿を写真に撮ったり、隣のテーブルのお客様とクスッと笑いあったり。
人々は店内を回遊しながらたくさんの石を鑑賞する。
石が丸い菓子皿の上に乗り「動く」ような姿。不思議な茶屋の姿。
いつしか「石が菓子」に見える。
鈴木文貴、岩田茉莉江(やぐゆぐ道具店)
思い入れのある石の受付期間:2020年12月2日〜20日
(期間内必着)
石のお菓子の発送期間:2020年12月11日〜21日
また、配送を通して石の交換にご参加いただいた方には、アーティストのEAT&ART TAROさんから、石のお菓子についてのお話を聞いていただけるZoom(オンライン会議ツール)のご案内を別途お送りさせていただきます(参加自由)。
オンラインでの石の交換の受付けは、ご好評につき予定数に達しましたので終了しました。たくさんの、ご応募ありがとうございました。