奈良のあちこちにひっそり佇む、面白い由縁や物語をもつ石たち。それらにそっくりな菓子の原型を制作したのは、奈良に拠点をおく彫刻家の加藤勝久さん。ふだんは剛柔が美しく融合された彫刻作品を、展覧会や企業プロダクトのために制作されています。
加藤さんはそれぞれの石がある現場を実際に訪れ、数時間かけてじっくり観察しながら微細なヒビ割れや凹凸を粘土で再現します。その後、スタジオに戻って石膏で型取りし、何重もの着彩を施すと、もとの石そっくりな菓子の原型のできあがりです。原型を初めて手にしたEAT&ART TAROさんも驚きと喜びでいっぱいでした。
奈良公園内の展覧会会場である「石の菓子店」では、加藤さんによる石の原型も展示されています。菓子と見比べながら、ぜひご鑑賞ください!
テキスト:西尾咲子(「動く石」コーディネーター)