中﨑 透 「 看板屋なかざき 」

NAKAZAKI Tohru, signmaker NAKAZAKI, 2014 Photo:Kuniya Oyamada
STATEMENT
市街地に位置する椿井市場を舞台に看板作品を展開する。2001年から始めた《看板屋なかざき》と題した看板作品シリーズは、少し変わった契約書をもとに、依頼人の思い通りにならない少しズレた看板となり街を彩る。
一つの商品が、商品そのものと、パッケージや広告といったイメージが一体となって存在していることを、一人の人間として例えてみると、外側から見える自分と、内側から思う自分の両者が合わさって一人の自分がいる、人の悩みの多くの部分はその両側のズレやギャップから由来するとも言える。そんなところが看板を作り続けている理由の一つなのだが、ズラされた看板は、実態とイメージの距離を可視化させるような装置として機能する。
依頼人の要望を必ずしも引き受けないという契約書は、本来は「美しく、カッコよく、内容を象徴した、商品が欲しくなる、行きたくなる」ような看板であるはずが、時には「ダサく、カッコ悪く、不快で、欲しくなく、行きたくない」ような作品としての看板に成り替わる。それらは、日常生活の中で目にするものが、マーケティングをはじめとした先回りで心地よさを集めて作られた風景であることを気づかせてくれるささやかな色眼鏡である。
***
アートやカルチャー、「奈良のまちでおこること」にアンテナを立て、活動している素敵な方々に看板の依頼人になっていただきました。
PROFILE

中﨑 透 Nakazaki Tohru
1976年茨城生まれ。美術家。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。現在、東京と茨城県水戸市を拠点に活動。言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに自然体でゆるやかな手法を使って、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。2006年末より山城大督、野田智子と共に「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より水戸市内で「遊戯室(中﨑透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる(-2021)。2011年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加、主に美術部門のディレクションを担当。近年の主な展覧会に個展「FICTION TRAVELER」水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)、「越後妻有 大地の芸術祭 2024」(新潟)など。「瀬戸内国際芸術祭 2025」では瀬戸大橋エリアでの16名の作家による展覧会「SAY YES」のディレクションを担当。令和4年度(第73回)芸術選奨新人賞(美術部門)受賞。 nakazakitohru.com
会場/椿井市場
[近来]
近来の遺構のようなノスタルジックな場所、椿井市場。明治の頃から人々が集い、大正9年より商店街として庶民の生活を支えました。昭和30年代には大いに賑わいを見せましたが、火災による焼失もあり、時間が止まったままのような場所と、現役の店が混在する不思議な魅力で、令和の今も人々を惹き付けます。
「看板屋なかざき」設置にご協力いただいた椿井市場の皆さまをご紹介します。

アクセス
椿井市場(奈良市椿井町5)
近鉄奈良駅より南へ徒歩約5分
プログラム詳細
- プログラム
- 中﨑 透「看板屋なかざき」
- 開催日程
- 2026.11.7(土) - 11.29(日)
- 時間
- いつでも鑑賞可能
- 会場
- 椿井市場
- 参加方法
- 申込不要
- 料金
- 入場無料