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[レポート] ならまちワンダリング「部活」
人間の思考や学びに重要な「迷う・彷徨(さまよ)う」環境を日常の中に創っていく「ならまちワンダリング」。2024年11月の最終週に『ワンダリングウィーク』と銘打って、「ゼミ」「ラボ」、そして「座学」を開催。子どもから大人まで、見て・触って・動いて・感じて・考えながらワンダリングする場をならまち各所に開きました。これに先立ち10月からは、新しい仲間を増やした市民の文化芸術活動「部活」がスタート。ならまち各所で「ワンダリング部活」としての活動を行いました。
「部活」
8月から9月まで参加部活を募集。参加条件はならまち周辺で活動する文化芸術活動であること。新規のみならず昨年度参加の部活も大歓迎として、最終12組の活動が「ワンダリング部活」に決定しました。童謡を歌う、コスプレして町を歩く、音楽を聴く、ダンスする、読書会に写真展……。昨年度にも増して、ユニークな活動が10月から12月までならまち各所で行われました。
すこやか倶楽部(飯田惣一郎)「童謡・唱歌を歌い継ぐ」
童謡・唱歌などを皆で歌う倶楽部。体を動かしほぐすことで声の厚みが増すなどの音楽指導も受けながら、今は歌われなくなった歌を歌い継いでいこういう活動に、幅広い年代の方が参加されました。
(撮影:前川俊介)
アルモンデ「知恵と工夫とアルモンデ」
使わなくなったノートやいらないチラシなどを、折って切って綴じて、手のひらサイズのノートを作る活動です。会場はならまちにある小さな古本屋さん。棚に並ぶ古本たちに見守られながら “有るモンで” 再利用を楽しむ作業は和やかに進み、唯一無二のMyノートが仕上がりました。
(撮影:前川俊介)
ナコス「コスプレ行進」
段ボールなどで作ったコスチュームを着て商店街を練り歩くこの部活、人通りの多い商店街を元気に歩く小さなコスプレ軍団に、通行人も思わず笑顔。普段と違う自分になれて、被り物を脱いだ後は、皆、満足げな笑顔でした。
ふくふくファーム「はたけの歌会」
昨年度も参加した「ふくふくファーム」さんの新たな活動は「歌会」。ならまちを見渡せる田畑で、まずは散歩や鶏への餌やり。心を解放してから湧き出る言葉を書き留めます。スタイルは自由。発せられた歌が青空に吸い込まれるような心地良いひとときでした。
チーム旋律談話「旋律談話」
音楽好きが集うコミュニティースペースで行われた部活。テーマをもとに各自が持ち寄った音楽に耳を傾け、感想を語り合います。話は音楽の印象のみならず、使用楽器、演奏者などについても及び、趣味で繋がる大人たちの話は尽きないといった印象でした。
ヒト×コト読書会「ヒト×コト読書会」
紹介したい本を持ち寄り、話し、聞き、考える読書会。違う価値観を持っていても、互いの違いを認め合い対話する中で生まれてくる共感もある……。ここは本を通じて開かれるヒトとの繋がり、コトへの気づきがゆったりとたゆたう場所でした。
ヨコタ佑輔「詩とことばに出会う」
昨年度のキックオフイベントにも参加され好評だったヨコタさんの部活は、ことばを手掛かりに話し合って、ことばを集めて展示するというもの。詩という形になることで、普段何気なく口にしている日常語の豊かさに改めて出会うことができました。
鎌江文子「らくがき部~ビスケットで、手作りのデジタルアートを収集・展示~」
誰でも簡単にプログラミングができるアプリviscuit(ビスケット)を使って、タブレットに自分が描いた絵を動かすことができる「らくがき部」。参加者が描いたらくがきは、夜間上映会で、ならまちセンターの外壁を賑やかに彩りました。
清水彩加「大好きなものダンス」
親子で一緒に自由にダンスを楽しむ部活をフレキシブルに開催。11月30日、ならまちセンター芝生広場で素敵な衣装の主宰者がしなやかに踊り出すと、通りすがりの親子連れも思わずダンス!言葉のいらないコミュニケーションがあちらこちらに生まれていました。
(撮影:前川俊介)
ともしびデザイン|さとみ「カフェときどき鹿、写真部」
昨年度のキックオフイベントで撮影会を行った写真部。今年度は写真展を開催しました。主宰者と部員5人が写したスイーツなどの写真はならまちにある小さなコーヒースタンドで展示され、静かな空間のアクセントとなって訪れるお客さんの目と楽しませていました。
(撮影:前川俊介)
ほんの入り口「本棚ワンダリング」
昨年度のキックオフイベントに引き続き、今回も参加してくれた「本の入口」さん。参加者は、商店街の本屋さんで本を選び購入して、カフェでその本をなぜ選んだかなどを報告し合います。今回は少人数での開催となりましたが、充実した時間になりましたと主宰さんから感想が寄せられました。
(撮影:前川俊介)
吉田ともえ「音をならそう」
ワンダリングウィーク中の11月30日に、ならまちセンター1階コトナラボと芝生広場で開催された音の企画。ループ音が鳴り出すと、子どもたちが引き寄せられるように集まってきます。身近な物で作られた楽器を鳴らしてセッションの始まりです。体をゆらし、自然と笑顔がこぼれていました。
(撮影:前川俊介)
10月からスタートした「ワンダリング部活」。
今回は参加団体も増えて、参加者の年齢層も広がりました。
キックオフイベントから引き続き開催された部活さん、新しいこころみをしてくださった主宰者さん、そしてこれをきっかけにワンダリングに参加しくださった参加者の皆さま、本当にありがとうございました!
<開催概要>
ならまちワンダリング「部活」
開催期間:2024年10月―12月
場所:ならまち各所
[参加部活](順不同)
すこやか倶楽部(飯田惣一郎)「童謡・唱歌を歌い継ぐ」
アルモンデ「知恵と工夫とアルモンデ」
ナコス「コスプレ行進」
ふくふくファーム「はたけの歌会」
チーム旋律談話「旋律談話」
ヒト×コト読書会「ヒト×コト読書会」
ヨコタ佑輔「詩とことばに出会う」
鎌江文子「らくがき部~ビスケットで、手作りのデジタルアートを取集・展示~」
清水彩加「大好きなものダンス」
ともしびデザイン|さとみ「カフェときどき鹿、写真部」
ほんの入り口「本棚ワンダリング」
吉田ともえ「音をならそう」