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[レポート]第2回グリーン・マウンテン・カレッジ「男女と色恋」

2018.11.08
グリーンマウンテンカレッジ

10月21日に、JR奈良駅の広場、趣ある近代建築のJR奈良駅旧駅舎(現在は奈良市総合観光案内所)の前に、ティピーテントと薪ストーブを設けて、2回目のグリーン・マウンテン・カレッジを行いました。

ゲストに都市社会学者の山田創平さん、思春期保険相談士のあかたちかこさんをお招きした今回のテーマは、「男女と色恋」。

最初の“授業”では、まず、ここ200年くらいの「家族」について考えてみることから始まりました。
日本では戦後に「家族計画」という言葉が広まりましたが、子ども2人が理想的とされたこの思想はどこから生まれたものなのでしょうか? 山田さんによれば、それには資本主義が大きく関わっていて、産業革命以後の近代の資本主義社会の下で、必要な労働力を安定的に工場に動員できるように作られたシステムであると言います。

労働者の夫を主婦である妻が支える家族の形態は、朝から晩まで工場で働かせる経営者(資本家)に都合の良いものでした。そのシステムは、その形態に当てはまらない人、例えば「単身者」「子どもを産まない人」「異性愛ではない人」などの社会的な排除、差別が生まれる要因にもなっていると言います。

あかたさんは、そこから生まれる「モヤモヤした感情」に目を向けています。今はこの家族形態のシステムも崩れ、夫の給料だけで家族を維持することができなくなってきているにもかかわらず、社会の中で理想とされるものだけは変わらずあり、そのズレから生じるモヤモヤした感情が常にあると言います。そのような家族の典型であるクレヨンしんちゃんのお父さんは今の社会からするとエリートだったんだ、とも。

小山田さんは、そういうモヤモヤを自分自身も感じる一方で、そういう社会の抑圧を自分が作り出す側になってはいけないと思っていると語りました。

その後、ゲストも参加者も入り混じり火を囲みながら、思い思いに話をしました。日々生活している中でなんとなく感じる、男女や家族にまつわるモヤモヤ感について、色々な思いや考えが聞こえてきました。

次回は11月17日(土)、奈良国立博物館 新館西側広場にて、美術家・チェ・ジョンファさんを囲んで、皆で食事を楽しみながらお話します。食事や飲み物はお持ち寄りのうえ、足をお運び下さい。(詳細はこちら

チェ・ジョンファさんは、同日14時から16時まで、食器や調理器具で作品「花の舎利塔 Blooming Matrix」を制作するワークショップを行います。子どもから大人までどなたでも参加いただけますので、こちらも合わせてご参加ください!(詳細はこちら

(撮影:衣笠名津美)